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ステージⅢとⅣAの治療法 中心は「同時化学放射線療法」

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子宮頸がんでは、ステージがⅢ期やⅣA期の患者さんに対して、「同時化学放射線療法」が行われます。「同時化学放射線療法」では、「放射線療法」と同時に「化学療法」も行います。

放射線の照射方法とスケジュール

放射線の照射は、基本的には「外部照射」と「腔内照射(くうないしょうしゃ)」を組み合わせて行われます。

放射線の照射方法とスケジュール

実施可能な施設では「組織内照射」を行う場合もあります。
「組織内照射」は、針をがんがある部分に刺し、線源(放射線を放出する小さな物質)を使って放射線を照射する治療法です。

腔内照射の流れ

1) 治療前の準備

腔内照射(くうないしょうしゃ)を行うには、子宮腔内に線源(放射線を放出する小さな物質)を通すための管を挿入する必要があります。治療を行う前に、管をきちんと挿入できるかを確認します。

2) 治療日当日

子宮腔内に器具を挿入すると痛みを感じる場合があるので、痛み止めの薬を使います。器具を挿入後、画像を用いて位置を確認し、治療がスタートします。

放射線療法と同時に行われる「化学療法」とは

放射線療法と同時に行われる化学療法に使用される主な抗がん剤は、「シスプラチン」です。「シスプラチン」は、「プラチナ製剤」と呼ばれるカテゴリーの抗がん剤です。また、シスプラチン以外の薬剤も一緒に投与される場合があります。
このように放射線療法と同時に抗がん剤を投与するのは、放射線治療の効果を増強する作用(増感効果)があるからです。

1) 化学療法のスケジュール

週に1回、合計で5~6回の投与を目指します。この化学療法は、主治療である放射線療法の効果を高めることが目的です。患者さんの検査の結果や、全身状態によっては化学療法を延期、中止する場合もあります。

2) 化学療法の副作用

吐き気、嘔吐、食欲不振、脱毛、全身のだるさや白血球減少、貧血、血小板減少、腎障害などがあります。

3) 副作用を減らす工夫とは?

① 点滴を行う

シスプラチンは腎臓にダメージを与えるため、シスプラチンの点滴前後には1~2リットルの輸液を点滴して、尿の量を増やします。尿の量を増やすことで、腎臓内のシスプラチン濃度が下がるので、腎臓に与えるダメージを減らすことができるのです。

② 制吐剤(吐き気止め)を使う

映画やドラマの影響などで、化学療法に対してマイナスのイメージをもつ方もいるかもしれません。しかし最近では、「制吐剤(せいとざい)」と呼ばれる、吐き気止めの薬を使うことで、吐き気や嘔吐はかなり軽減できるようになりました。

吐き気には、抗がん剤点滴後24時間以内に発生する「急性」、24時間以降に発生する「遅延性」、以前に嘔吐した経験が原因となって心理的に生じる「予期性」などがあります。こうした3つのタイプの吐き気に対応するため、制吐剤にも3種類の薬があります。

制吐剤は予め予防的に投与されますが、それでも吐き気が強い場合は、頓用のお薬(症状が強い時に服用する薬)を使用したり、次の化学療法から予防的に投与される薬を追加・変更したりすることが可能なので、主治医にご相談ください。

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監修医師

監修医師:Dr. 金尾 祐之

金尾 祐之 Hiroyuki Kanao

公益財団法人がん研究会 有明病院
専門分野:婦人科

専門医・認定医:
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医、日本産科婦人科学会専門医、日本婦人科腫瘍学会腫瘍専門医、日本臨床細胞学会細胞診専門医

*本監修は、医学的な内容を対象としています。サイト内に掲載されている患者の悩みなどは含まれていません。


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