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ステージⅣBの治療法

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ステージⅣB期の子宮頸がんは、がんが子宮から離れた場所に転移している状態なので、主に化学療法などの「薬物療法」を行います。

ステージⅣBで行われる薬物療法とは

ステージⅣB期の子宮頸がんの薬物療法では、一般的な抗がん剤である「細胞障害性抗がん薬」だけでなく「分子標的薬」も使われる場合があります。

ステージⅣB期の子宮頸がんの薬物療法

化学療法では、薬剤の併用が一般的

子宮頸がんのステージⅣB期の薬物療法では、通常は2種類の「細胞障害性抗がん薬」を併用します。2剤を併用することで、1剤だけの場合よりも治療効果が高いことが実証されています。実際に使用されるのは、次の組み合わせです。

●TP療法 「シスプラチン」と「パクリタキセル」
●TC療法 「カルボプラチン」と「パクリタキセル」

「シスプラチン」と「カルボプラチン」は、どちらも「プラチナ製剤」と呼ばれるカテゴリーの薬です。一方パクリタキセルは、「プラチナ製剤」とは別のカテゴリーの薬です。このようにカテゴリーの異なる薬を組み合わせて使用することで、がん細胞に、より大きなダメージを与えることができます。

1) 「TP療法」や「TC療法」の副作用

白血球減少、貧血、血小板減少、腎障害、吐き気、嘔吐、食欲不振、脱毛、全身のだるさ、味覚障害、肝機能障害や腎機能障害なども生じることがあります。パクリタキセルに特徴的な手足のしびれ、関節痛も生じることが多いです。また副作用ではありませんが、パクリタキセルにはアルコールが含まれているので、点滴中に体が熱くなる感じがあります。

2) 化学療法で起こる吐き気は、コントロールできる!

映画やドラマの影響などで化学療法に対してマイナスのイメージをもつ方もいるかもしれません。しかし最近では、「制吐剤(せいとざい)」と呼ばれる、吐き気止めの薬を使うことで、吐き気や嘔吐はかなり軽減できるようになりました。吐き気には、抗がん剤点滴後24時間以内に発生する「急性」、24時間以降に発生する「遅延性」、以前に嘔吐した経験が原因となって心理的に生じる「予期性」などがあります。これらの3つのタイプの吐き気に対応するため、3種類の薬があります。

制吐剤は予め予防的に投与されますが、それでも吐き気が強い場合は、頓用のお薬(症状が強い時に服用する薬)を使用したり、次の化学療法から予防的に投与される薬を追加・変更したりすることが可能なので、主治医にご相談ください。

分子標的治療薬「ベバシズマブ(商品名:アバスチン)」について

子宮頸がんのステージⅣB期の薬物療法では、ベバシズマブ(商品名:アバスチン)が使われることがあります。

ベバシズマブは、「分子標的治療薬」と呼ばれるカテゴリーの薬です。また、「血管新生阻害剤」とも呼ばれていて、「がん細胞に栄養や酸素を運ぶための新しい血管が作られること(血管新生)」を「阻害」することで、がんの成長や増殖を抑える、いわば「兵糧攻めで」がん細胞を叩きます。

頻度が高い副作用は蛋白尿や高血圧などで、患者さんの自覚症状は少ない薬です。しかし血栓症の方には使用しにくいこと、また、頻度は低いものの重大な副作用として、瘻孔(ろうこう)や消化管穿孔(せんこう)があるので注意が必要です。

瘻孔とは、中に空間がある2つの臓器がつながってしまうことで、例えば「膀胱腟瘻」が起こると膀胱と膣がつながり、腟から尿が出てしまいます。また、「直腸腟瘻」が起こると膣から便が出てしまいます。消化管穿孔は、腸などの消化管に穴が空いてしまう病気です。

監修医師

監修医師:Dr. 金尾 祐之

金尾 祐之 Hiroyuki Kanao

公益財団法人がん研究会 有明病院
専門分野:婦人科

専門医・認定医:
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医、日本産科婦人科学会専門医、日本婦人科腫瘍学会腫瘍専門医、日本臨床細胞学会細胞診専門医

*本監修は、医学的な内容を対象としています。サイト内に掲載されている患者の悩みなどは含まれていません。


監修医師:Dr. 温泉川 真由

温泉川 真由 Mayu Yunokawa

公益財団法人がん研究会 有明病院
専門分野:腫瘍内科(主に婦人科がん)

専門医・認定医:
日本産科婦人科学会専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医、日本細胞学会細胞診専門医、日本臨床腫瘍学会指導医

*本監修は、医学的な内容を対象としています。サイト内に掲載されている患者の悩みなどは含まれていません。


監修医師:Dr. 田中 佑治

田中 佑治 Yuji Tanaka

公益財団法人がん研究会 有明病院
専門分野:婦人科

専門医・認定医:
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本臨床細胞学会細胞診専門医、日本産科婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医

*本監修は、医学的な内容を対象としています。サイト内に掲載されている患者の悩みなどは含まれていません。

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