食道がんの診断法

最終更新日:
この記事をSNSでシェアする

食道がんの診断ってどうするの?

1)食道がんの検査

食道がんの検査には、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)、超音波内視鏡検査、上部消化管造影検査、CT検査、頸部・腹部超音波検査、PET検査、腫瘍マーカー(血液検査)があります。

1.上部消化管内視鏡検査(胃カメラ) 食道内を直接観察する

口や鼻から内視鏡を挿入し、食道内を直接観察し、粘膜の色や凹凸などを確認します。
異常な部分があれば組織を採取し、顕微鏡でがん細胞の有無を確認して、確定します(病理組織検査)。
がんの位置や広がり、数、深さを確認することができます。特殊な色素や特殊な波長の光を用いて詳細に観察し、診断を補助することがあります。

2.超音波内視鏡検査 食道壁などの構造を観察する

超音波装置のついた内視鏡を用いて、食道壁の層構造や食道壁外の構造を観察します。これにより、食道がんがどの程度深く広がっているか、周囲の臓器への浸潤の有無、周囲のリンパ節転移の有無などがわかります。

3.上部消化管造影検査 X線で撮影する

バリウムやガストログラフィンを飲んで、食道を通過するところをX線で撮影します。がんの部位や大きさ、狭窄の程度などがわかります。

4.CT検査 身体の断面を撮影する

X線を使って身体の断面を撮影する検査です。周囲の臓器への浸潤の程度や、リンパ節・肝臓・肺などへの転移の有無を確認します。

5.頸部・腹部超音波検査 超音波で観察する

体表面から頸部や腹腔内を超音波で観察します。頸部では頸部リンパ節転移の有無、腹部では肝転移や腹部リンパ節転移の有無を確認します。

6.PET検査 検査薬で目印をつけて撮影する

「陽電子放射断層撮影」Positron Emission Tomographyの略です。
がん細胞は正細胞に比べてより多くのブドウ糖を取り込む、という性質を利用し、ブドウ糖に似た構造の検査薬を投与することで、がん細胞に目印をつけて撮影します。これによりがんの早期発見や、転移・再発の診断の手助けになります。

7.腫瘍マーカー(血液検査) 目安となる検査

がんによって生み出された特徴的な物質(たんぱく質や酵素など)を腫瘍マーカーと呼びます。血液中に放出されたものは血液検査で調べることができます。異常値を示す場合はがんが存在する可能性がありますが、あくまで目安となる検査であり、他の検査と総合的に判断することが重要です。

食道がんの病理

日本は扁平上皮がん、欧米は腺がんが9割

食道がんには主に扁平上皮がんと腺がんの2種類があります。食道の上皮は扁平上皮で構成されており、日本では扁平上皮がんが約90%と圧倒的に多くなっています。

一方、逆流性食道炎やそれに伴うバレット食道という食道粘膜の組織学的変化(円柱上皮)があると腺がんの原因となり、その割合は全体の約4%ですが、近年増加傾向となっています。欧米の食道がんは腺がんが90%です。

がんの進行度

がんの進行度によって病期(ステージ)分類をします。

病期は、①食道壁のどの深さまで及んでいるか(壁深達度:T因子)、②リンパ節転移N因子)、③他の臓器への転移(遠隔転移:M因子)の組み合わせによって決まります(表)。
病期分類には、日本の分類(日本食道学会による分類)と国際的な分類(UICC)の2種類があります。

1)壁深達度

T0 :原発巣としてのがんを認めない
T1a:がんが粘膜内(M)にとどまる病変
T1b:がんが粘膜下層(SM)にとどまる病変
T2 :がんが固有筋層(MP)にとどまる病変
T3 :がんが食道外膜(AD)に浸潤している病変
T4a:がんが食道周囲臓器に浸潤しているが、切除できる病変
(胸膜、心膜、横隔膜、肺、胸管など)
T4b:がんが食道周囲臓器に浸潤しており、切除できない病変
(大動脈、気管、気管支、肺静脈など)

2)リンパ節転移

N0:リンパ節転移を認めない
N1:第1群リンパ節のみに転移を認める
N2:第2群リンパ節まで転移を認める
N3:第3群リンパ節まで転移を認める
N4:第3群リンパ節より遠位のリンパ節に転移を認める

※リンパ節群分類:原発巣の占拠部位別に所属リンパ節を転移頻度によって分類したもの

3)遠隔転移

M0:遠隔臓器に転移を認めない
M1:遠隔臓器に転移を認める

食道がんの壁深達度

日本食道学会「臨床・病理 食道がん取り扱い規約(第11版)」より改編

食道がんの病期(Stage)分類

日本食道学会「臨床・病理 食道がん取り扱い規約(第11版)」より一部改編

監修医師

監修医師:Dr. 上野 正紀

上野 正紀 Masaki Ueno

虎の門病院
専門分野:消化器外科(上部消化管)

専門医・認定医:
日本外科学会 専門医・指導医、日本消化器外科学会 専門医・指導医 消化器がん外科治療認定医、日本食道学会 食道科認定医・食道外科専門医・評議員・理事、日本内視鏡外科学会 評議員・技術認定取得者、日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医、日本消化器病学会 専門医・指導医、日本がん治療認定医機構 がん治療認定医、日本胸部外科学会 認定医・評議員

*本監修は、医学的な内容を対象としています。サイト内に掲載されている患者の悩みなどは含まれていません。


監修医師:Dr. 大倉 遊

大倉 遊 Yu Ohkura

虎の門病院
専門分野:上部消化器外科(食道・胃)

専門医・認定医:
日本外科学会 外科専門医、日本内視鏡外科学会 技術認定医 評議員、日本食道学会 食道科認定医、日本消化器外科学会 消化器外科専門医 消化器がん外科治療認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医

*本監修は、医学的な内容を対象としています。サイト内に掲載されている患者の悩みなどは含まれていません。


監修医師:Dr. 下山 勇人

下山 勇人 Hayato Shimoyama

虎の門病院
専門分野:上部消化管

専門医・認定医:
外科専門医、腹部救急認定医、外科周術期感染管理認定医、ICD、食道科認定医、がん治療認定医、緩和ケア講習会受講済、Certificate of da Vinci System Training As a First Assistant、難病指定医、エピペン処方医、四段階注射法、NST教育セミナー受講済

*本監修は、医学的な内容を対象としています。サイト内に掲載されている患者の悩みなどは含まれていません。


監修医師:Dr. 矢後 彰一

矢後 彰一 Akikazu Yago

虎の門病院
専門分野:食道・胃外科

専門医・認定医:
日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医、日本消化器病学会消化器病専門医、日本食道学会食道科認定医、がん治療認定医機構がん治療認定医

*本監修は、医学的な内容を対象としています。サイト内に掲載されている患者の悩みなどは含まれていません。

食道がんTOPへ戻る

この記事をSNSでシェアする