がん専門医師からのセカンドオピニオン

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前立腺がんの部分治療に目の前に見えている山を登り続ける力をもらった

プロフィール

仁木 輝緒 さん

2016年にPSAが基準値を超え、東海大学医学部付属八王子病院を受診。MRIを活用した精度の高い生検の結果、前立腺がんが見つかり、同年7月にHIFU(高密度焦点式超音波療法)による部分治療を受けた。

生検をするなら精密に調べられる方法がいい

50代の半ばから、半年に1回、PSAの検査を受けてきました。2016年1月の検査で、初めて基準値(4.0ng/mL以下)を超えて5.3という数値が出てね。検査を受けた病院の泌尿器科を受診したら、精密検査の生検を受けたほうがいいと。東海大学医学部付属八王子病院の小路 直先生を紹介してもらいました。

前立腺がんインタビュー01

すぐに小路先生の診察を受けたんです。先生から、先進医療に認定されている「新しいタイプの生検」があるという説明を聞きました。MRIの画像を使って前立腺がんが疑われる部分を特定して、そこを重点的に調べるという方法です。この生検を受ける決断をしたことが、大きなポイントだったと思っています。

友人に、PSAが基準値を超えて生検をした人が、何人かいるんですよ。情報収集のために、そのうちの1人に詳しく話を聞いてみたら、「2回生検をしたけれど、2回とも異常なしだった」というんです。でも、その後もPSAが高い状態が続いているので、3回目の生検をする予定だと。

前立腺の生検は、前立腺の組織を取るために針を刺すわけだから、楽な検査ではない。何度もやりたくないですよね。それに数値が高いわけだから、「異常なし」という結果が出ても嬉しくないでしょう。だからといって、前立腺がんが見つかって嬉しいわけではないですが…。複雑な思いがあるんですよ。そういう状態をいつまでも引きずりたくない。せっかく生検を受けるなら、精密に調べられる方法がいいと思ったんです。先進医療は保険外になるため費用が高くなりますが、「新しいタイプの生検」を受けることにしました。

前立腺がんインタビュー02

決断の決め手は、後遺症が少なく制約がないこと

小路先生から生検の結果を聞いたときは、さすがにショックでしたね。前立腺がんが見つかるかもしれないと覚悟はしていたのですが…。

でも、小路先生が丁寧に説明してくれたこともあって、冷静に話を聞くことができました。まだ初期の段階で、悪性度を示すグリソンスコアも低い状態なので、経過観察を行う「監視療法」という選択肢もある。また、治療を開始する場合の選択肢として、手術や放射線治療の説明もありました。加えて、HIFU(ハイフ)という選択肢もあるという話もあったんです。HIFUは前立腺がんの部分だけを治療する「部分治療」で、前立腺をすべて摘出する手術や、前立腺全体に放射線を当てる放射線治療と比べると、性機能障害や排尿障害などの後遺症のリスクが低い。患者にとって、すごく魅力的な治療でした。ただ、HIFUという治療があることを知らなかったので、どういう治療なのか、小路先生から説明を聞きました。

前立腺がんインタビュー03

HIFUは、超音波を使う治療法です。狙った部分に超音波を集めることで、その部分を加熱、焼き切ることができるということでした。手術のように前立腺にメスを入れることはないし、使用するのは超音波だから、放射線と違って正常な細胞を傷つけることもない。しかも私は「新しいタイプの生検」を受けているので、前立腺がんの場所が特定できている。治療の範囲をその部分に限定できるので、その分、後遺症のリスクも低いという説明でした。

小路先生の話を聞いて、「監視療法」か「HIFU」のどちらかだと思いました。最終的にHIFUに決めたのですが、大きな理由は、選択肢が絞られるのは嫌だと思ったからです。監視療法を選択した場合、監視をしている間に前立腺がんが進行してHIFUを受けられない状態になってしまうかもしれない。選択肢の一つが失われないうちに、部分治療のHIFUを受けておこうと考えたんです。

それに加えて、HIFUを受けた後、仮に前立腺がんが再発したとしても、その段階で放射線治療や手術を受けることができる。「HIFUを受けたら、別の治療は受けられない」といった制約がないことも決断を後押ししました。

前立腺がんを軽く見ないで

HIFUは2泊3日で受けました。治療前日に入院して検査を受け、翌日、治療が行われました。部分麻酔をして、実際に治療を受けていたのは30分ぐらいだったんじゃないかな。その日は病院に泊まり、翌日退院しました。その次の日から仕事に行けたし、尿漏れや排尿時の痛みなどの後遺症もありませんでした。HIFUを行うという決断をしてよかったと思っています。

「前立腺がんは進行が遅い」とか「前立腺がんでは死なないから」という話を聞くことがありますが、中には、命を失う人もいるんですよ。私の友人は、前立腺がんが見つかってから1年もたたないうちに亡くなってしまいました。簡単に考えないというか、軽く見ないというか…。定期的にPSAの検査を受ける。そして、問題が見つかったら必ず医師の診察を受ける。自分の命を守るためにも、適切な管理をすることが大事じゃないかと思います。

前立腺がんインタビュー04

私は、今71歳ですが、できるかぎり仕事を続けたいですね。やはり、生きがいなんでしょうね。世のため、人のためになりますから。私の仕事は、植物の形態分化を研究することです。今、研究成果をまとめた論文を書いているところなんですよ。でも、これで課題がすべて解決したわけではなくて、また新たな山が見えてくる。その山を越えたら、また次の山が見えてくるんです。それに耐えられなかったら、研究という仕事はできないと思います。私の場合、「あそこまで行けばなんとかなるだろう」という感じで進んで行く。少し楽天的なところが、よかったのかもしれません。今、目の前に見えている山を、力の続く限り登り続けていきたいですね。

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